先生と王子様と演劇部な私。
「さ、佐々木くん……じゃなかった、先生、帰ってなかったのね」


 由美ちゃんは困ったように笑う。そうか、朗先生は由美ちゃんの教え子でもあるんだ。



 朗先生はそんな由美ちゃんの言葉を無視して、バンっとアルバムを閉じた。とても不機嫌です、という顔を隠そうともしていない。



「私、妊婦妊婦、優しくね!」


 由美ちゃんが慌てたように胸の前で手を振ると、朗先生は大きな溜息をついた。


「……石川先生をお呼びしたらどうですか?」


 暗に帰れ、と朗先生がそう言った時ちょうど石川先生もやってきた。


「おう、そろそろ帰るぞ」

 遅いから迎えに来てしまったらしい。
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