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金田一は繁子の元愛人である知人に頼まれて、事件の捜査を行なっていたのだった。

すでに金田一の名声を聞いていた警察は金田一にも捜査協力を願う。

当初、繁子のものと思われていた死体だが、バーの元女中の証言から、繁子の亭主・糸島の愛人・鮎子ではないかという疑いが浮かぶ。

しかし金田一は死体の顔が潰されていたこと、死体と一緒に黒猫亭の飼い猫・クロの遺骸が見つかったことに着目する。

果たして死体は繁子なのか鮎子なのか?

黒猫が殺されねばならなかった理由は?



…横溝正史は密室やアリバイ崩しよりも見立て殺人や顔の無い死体といったテーマを好んで扱っていたが、この【黒猫亭事件】は「顔の無い死体」の典型。

死体が誰かをあやふやにすることによって、事件の謎を膨らませている。

二重三重に仕掛けられたトリックもさることながら、黒猫亭に関わる男女の愛憎関係がドラマチックに描かれており、そこが良し。

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