溺れた愛のシルシ
赤いネクタイを締めながら、
のこのこと入ってきて…。
どうせ、
お母さんとの会話を盗み聞きしてたんだろう。
「早く学校行きなよ。お兄ちゃん。」
そう。あたしの兄貴、
飴野拓斗(アメノ・タクト)。
あたしより2つ上の大学生。
この辺では一番偏差値の高い
学校に通っている…。
ルックスはあたしからみれば普通だけど、
学校ではそうとうモテている。
らしい。
でも...。
性格はいわゆるドがつくほどのエス。
「まだ行かねぇよ。つーかお前、仮病だろ。」
「なんでさ…。」
あたしは本音を突かれて、
動揺をかくすために布団にもぐった。
「図星。」
「もう、うるさいなぁー、出てってよバカッ」
我慢しきれなくなったあたしは、
お兄ちゃんの方にクッションを投げつけた。
「なんかあったか。」
「……。」
結局、お兄ちゃんには「なんでもお見通し」
なわけでした。