溺れた愛のシルシ





赤いネクタイを締めながら、
のこのこと入ってきて…。


どうせ、
お母さんとの会話を盗み聞きしてたんだろう。



「早く学校行きなよ。お兄ちゃん。」



そう。あたしの兄貴、
飴野拓斗(アメノ・タクト)。

あたしより2つ上の大学生。


この辺では一番偏差値の高い
学校に通っている…。


ルックスはあたしからみれば普通だけど、
学校ではそうとうモテている。


らしい。

でも...。
性格はいわゆるドがつくほどのエス。





「まだ行かねぇよ。つーかお前、仮病だろ。」


「なんでさ…。」



あたしは本音を突かれて、
動揺をかくすために布団にもぐった。



「図星。」


「もう、うるさいなぁー、出てってよバカッ」




我慢しきれなくなったあたしは、
お兄ちゃんの方にクッションを投げつけた。



「なんかあったか。」


「……。」




結局、お兄ちゃんには「なんでもお見通し」
なわけでした。



< 42 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop