溺れた愛のシルシ
「お母さぁん…、頭が頭痛だよぉ。」
「なにあんた。頭が頭痛って...ほんとに大丈夫?」
お母さんは違う意味で
あたしを心配しているみたいです。
「今日休む。」
「もう...。そんなに痛いわけ?」
お母さんはあたしの
顔をのぞきこんで、おでこに手を当てた。
「熱はないし…。そんなに痛いんだったら病院行きなさい。」
「いい...。寝てる。」
そういって
お母さんが畳んだばかりの布団を
またもや雑にかぶった。
「ハァ~…。明日にはちゃんと行けるように、寝てなさいね。お母さん仕事行ってくるから。」
「はぁい...。いってらったぁい」
お父さんが生まれつきいないあたしは
今家に一人なわけです。
「なんだお前。休むの?」
ノックもせずに入ってきた。
昔から声の低い...うちで唯一の男。
そうだ、こいつを忘れてた...。