溺れた愛のシルシ
お兄ちゃんが少し笑いを交えて言った
その言葉は、
あたしにとっては謎、謎、謎…。
「自分のこともろくに分からないバカが、他人のことなんて分かるわけがないだろ。バァカ。」
「ちょっ...。バカバカ言いすぎだよ!」
あたしは頬を膨らませた。
その顔に、お兄ちゃんは大爆笑中。
『ふぐだ』とか言って、
ずっとお腹を抱えて笑ってる。
自分が原因でしょうが。
「ま、そうゆうことだ。」
「なに?どうゆうこと?」
「じゃ、そろそろ行くわ。」
お兄ちゃんはサラリーマンみたいな
親父臭い鞄を持って、
静かに長い脚を折り曲げて、
スラ~っと立った。
「お前も結構モテんだな。さすが兄ちゃんの妹だ。」
お兄ちゃんは部屋を出ていく際に、
そう言い残して
あたしの頭をポンポンとなでた。
「いいから早く行きなよッ!」
「照れてる、照れてる。」
そう言ってくすくすと笑いながら、
あたしに背中を押されて部屋を出て行った。