溺れた愛のシルシ
それにしても…。
なによ。
バカバカバカって……。
『自分のことも分からないバカが、他人のことなんて分かるわけがないだろ』
さっきのお兄ちゃんの言葉が
ちょっとだけだけど...。
頭の中を駆け巡った。
お兄ちゃんって、
優しいのかいじわるなのかわかんない。
さっき付けてたネクタイだって、
あたしが去年の誕生日にあげたやつで...。
いつもいじめてくるお兄ちゃんに、
恥ずかしい思いさせちゃえって...そう思って
真っ赤な色を選んだのに...。
毎日つけてくれてる。
だから毎日スーツなんだ。
妹としてはちょっと恥ずかしい...。
最初は「俺、黒って言ったよな?」
とかいって怒ってたくせに...。
わけわかんないんだから。
「バカはそっちだよ...。」
布団を思い切りかぶったら、
眠気がさしてきて…。
いつの間にかあたしは、
深い眠りの奥底へ落ちていった。