Escape ~殺人犯と私~
。
その扉が閉まる時だった。
後ろ髪を引かれた私は
ふと、おばあさんを振り返った。
ドアの僅かな隙間から見えたおばあさんは
私に深々とお辞儀をしていた。
小柄な体をかがめているため
更に小さく見えて
切なさに、胸を打たれた。
それでも、私はお婆さんを見ないふりして
黙ったままその場から去った。
少年は、到着したエレベーターに先に乗り込み
私を待っていた。
私は平然を装ながら、何食わぬ顔でエレベーターに乗る。
エレベーターの扉が閉まった。
私はこれからどうして逃れようか考えていた。
1階に着いた途端に逃げようか
それとも、コンビニで隙をついて逃げた方のが確実かもしれない……。
成功して自由になるか
失敗して更に頑丈な鎖で繋がれるかの2択。
手に汗握るほど緊張してしまう。
その緊張を悟られないよう
隣に佇む少年から距離を置こうとした時
突然
少年に左腕を捕まれた。
ビクッ。
必要以上に驚いてしまった。
その態度で
私が逃げようとしてる事に気付いたかもしれない。
拉致された時のように、手をつながれるかも知れない。
冷や汗をかきながら、緊張の面もちで少年を見ていた。
なのに少年は、私から視線を逸らして
私の腕
その扉が閉まる時だった。
後ろ髪を引かれた私は
ふと、おばあさんを振り返った。
ドアの僅かな隙間から見えたおばあさんは
私に深々とお辞儀をしていた。
小柄な体をかがめているため
更に小さく見えて
切なさに、胸を打たれた。
それでも、私はお婆さんを見ないふりして
黙ったままその場から去った。
少年は、到着したエレベーターに先に乗り込み
私を待っていた。
私は平然を装ながら、何食わぬ顔でエレベーターに乗る。
エレベーターの扉が閉まった。
私はこれからどうして逃れようか考えていた。
1階に着いた途端に逃げようか
それとも、コンビニで隙をついて逃げた方のが確実かもしれない……。
成功して自由になるか
失敗して更に頑丈な鎖で繋がれるかの2択。
手に汗握るほど緊張してしまう。
その緊張を悟られないよう
隣に佇む少年から距離を置こうとした時
突然
少年に左腕を捕まれた。
ビクッ。
必要以上に驚いてしまった。
その態度で
私が逃げようとしてる事に気付いたかもしれない。
拉致された時のように、手をつながれるかも知れない。
冷や汗をかきながら、緊張の面もちで少年を見ていた。
なのに少年は、私から視線を逸らして
私の腕