新月の夜
もう一つの運命
文化祭当日。忙しい。トップアイドルayaのライブの前座。
麻友美は髪をアップにして耳にはもちろんピアス。円陣。やるっきゃない!


会場。麻友美の弟。祐貴。

「もうすぐ姉さんだ。楽しみ♪」

麻友美達が出てくる。

「あっ。姉さん。」

麻友美が、

「1年学園隊゛Skip゛参上!みんなayaちゃん早く見たいって〜?まだまだ引っ張るよ〜!嫌なら寝てて?…本当は嫌なんだけど。期待通り?期待外れ?聞いてのお楽しみ!いっくよ〜。」

歌う。
みんな騒然。麻友美の甘く美しい声。聞き惚れる。祐貴は、

「あの中に姉さんの男いるのかなぁ?う〜ん。ベース…並。ギターの左…並かそれより下?姉さんの声に混じるギター。…あの中ではましかなぁ。あ、さおちんだ。前に遊びにきたんだよね〜。それより…男を。」

麻友美はパフォーマンス。沙織にピース。美里に跳ねる。誠治には手を振り、弓削にはよっ!って合図、悠太にはウインク。ノリノリ。ぴょんぴょん跳ねてかわいい。3曲歌って、スピーチ。


「みんなには大切な人がいますか?形は様々。この曲は大切な人に向けた曲。誰かは内緒だよ☆」


−あなたは助けを求めてた。強がって、一人で背負おうとしてたね。駄目だよ。私が側にいるからやめて。優しく抱きしめたね。傷つけるのなら、私の、夢が叶わなかったら。猶予をちょうだい。私の夢はあなたの命。あなたの命は私の夢。だから私を信じて?
−あなたは私に賭けたね。私とあなたの約束の証、三日月のピアス。あなたが選んだピアス。宝物だよ。あなたの為に頑張るから。あなたを守るから信じて?立ち直れるよね。こののピアスに誓って。DEAR MY YOU−


祐貴は涙。

「…姉さん。ありがとう。大好きだよ。」

麻友美は、

「終わった〜。次はいよいよお待ちかね!ではでは。退散しまちょ。バイバ〜イ!」

はける。鳴り止まない拍手。大成功。


休憩。悠太はベンチに座っていた。

「…本当元気いいなぁ、あいつ。…終わったらみんな解散かなぁ。寂しい。」

考えている。そこへ、

「すいません。」

180以上ある長身の少年?悠太は顔を上げる。

「…何かご用です?」
「あんた何者?」
「はい?」

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