新月の夜
「え?」
「あの赤ちゃんがよ。兄弟で一番乗り。亜希は優しすぎて首絞めてるけどね。いい子よ。会えて幸せ。」

麻友美の兄は、悠太の父が気になる。聞けない。それにもう一つの噂の疑惑。悠太の父が喋りかけているのは…。


休み。麻友美は兄と買い物。兄は照れて、素直に嬉しいと言えない。そこに偶然、

「あら。」

兄は、

「本多さん…。」

麻友美は、

「お母さん!?」
「あれれ〜?」

兄は、

「い…妹です。本多さんこそ…!?」

おどおど。悠太の母は、

「買い物です。坂井くん。私は主婦ですよ。主人と子供がいるの。買い物くらいするわよ。」
「……。」

麻友美は、

「大丈夫ですか?」
「ん?」

麻友、

「知っているのか?本多さんは…まさかあの噂…。」
「噂って?」
「……。」

母はお腹をさすって、

「赤ちゃん?かわいいわよ。へへ。」
「まさか…社長と不倫してできた子供!?あ…麻友、ごめん。」
「ぷっ…ハハハ。面白い、ハハハハハ…。まぁ、立ち話もよくないからコーヒーでも飲みましょう。でも、うける…。」


個室に悠太の母と麻友美と麻友美の兄と3人。

「私があの人と不倫してるとでも思った?」
「…本多さん結婚指輪してますし。」
「そうね。私は今、2人の息子がいるのよ。真実を話しましょう。で、私の主人見た事ある?」
「…ないですけどずっと前に見た事ある人がいるらしいです。」
「…そう。その人の正体はそのうちわかると思うわ。社長の息子、2人いる事知ってるのね。」
「…はい。」
「社長が独身なら何故子供がいるの?」
「…隠し子らしいと。」
「まぁ、噂ではそうなるでしょうね。なら、あなたが知ってる、もう一人の息子。誰かに似てないかしら?それが子供の母親。上は、誰が見ても父親似、まぁ、母親似の部分も多少あってもおかしくないけど。下は、明らかに母親似。」
「え…!?」
「わかった?二人とも私が産んだ子供。この指輪?ナオキさんからの結婚指輪。ちなみに本多は旧姓。私達、24年前に結婚してるの。本多から離れたのは20の頃。その時には和也はいたわ。」
「…しかし、何故隠して。」
「5つも下のどこの誰かもわからない子供、親が信じますか?子供は生まれたとしても、
< 150 / 257 >

この作品をシェア

pagetop