新月の夜
知ってるよ。あさみちゃんから知らされた。」
「…まさかあの子が…相手は誰よ。」
「ナオキとあさみちゃんがそうであったように、その血を継いでいる悠太には有り得る。相手には正直驚いた。あさみちゃんは溺愛してる。」
「鈍感ナオキは?」
「もちろん気付いていなかったさ。和也は気付いていたのに。鈍感なナオキが気付くわけないよ。」
「相手は誰だってば?」
「ああ…オレは誰をたまに連れて来てる?」
「会社の人でしょ?だから誰だってば!」
「…わからないのか、彼に妹さんがいる。」
「え…まさか。」
「彼の妹さんだよ。」
「…確か、悠と同じ…。」
「そうだよ。」
「奈央ちゃんが生まれた時に家で食事の面倒を見た時に、彼女いるの?と聞いたら、いない事はない。と言ってたけど…。」
「それは彼女だろう。悠太の一目ぼれ、19くらいから付き合ってたらしい。」
「…だから彼が娘達がキャーキャーしてた時に微妙なカオしてたのね。」
「知っていたからね。いい兄弟だよ。今日、家に荷物を届けに和也君と行ったんだ。仲良く降りて来たよ。心配して看てたみたいで。娘達には内緒だ。世間と同じように知るのを待つ。それから説得していこう。悠の幸せの話だ。」
「はい。」
「さぁて、未亜ちゃんに甘えて寝ようか。」
「…子供はもうやめてね。」
「ナオキもおじいちゃんになるんだ。同じ年のオレらはもう無理だろ。」
「…そうね。」


次の日、何も無かったように用意する。

「おはよう。」

仕事の義人と長男は起きる。

「おはよう。」

ニコッ。

「ふぁ〜。女が眠ってるとどれだけ静かか。平和。」

そこへ続々と起きてくる女たち。

「いつになったら悠兄に会えるの?」

ぎくっ…。

「悠も忙しいでしょ?いとこなんだからそのうち会えるわよ。」
「そのうち〜っていつも聞いてる。」
「忙しいのに大変でしょ?」
「はぁ…悠兄、いつ迎えに来るのかなぁ〜。悠兄は私の。」
「違うってばぁ。」

喧嘩。未亜は、

「やめなさい。悠はいとこ、あなた達とはどうもならないわ。」
「そんなことないもん!悠兄は迎えに来るの。」
「迷惑よ…。」
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