新月の夜
公表〜母の苦痛、家族の絆〜
麻友美と悠太は会社と話し合って、公表することを決める。仲間は祝福。FAXを流し、会見の用意をする。そして、会見を行う。
同じグループ内での交際、妊娠。ワイドショー、会見は気遣ったり、いいものだったけれど仕事に支障がないか危惧する声も。CM契約。会社が悠太の父親のものだと知らないマスコミは、この先どうなるでしょうと言う。


会社。社内でも二人の話。義人の息子は…。

「妊娠させるなんてイメージダウンよねぇ。」
「そういやこの前、ここで本人見たよ。」
「へ?」
「言いに来たのかな?」
「和也様と仲良くしてたみたい。」
「癒着?」
「私は、奥様と和也様といたの見たよ。奈央様のベビーカー車に乗せそうとしてたし。ただの客人ならしないでしょ?」
「癒着?」

息子は聞いてられない。


義人と麻友美の兄は、

「情報早いですね。」
「ネット社会はこれがあるから。私は守るしかない。」
「……。」

そこへ、

「父さん!」

息子だ。

「おう!」
「父さん、悠兄さんが…!?」
「知ってるよ。」

息子は麻友美の兄を見て、

「あ…。」

にこっ。

「二人の関係くらい、前から知っていたから何も思わないよ。ただ、あれは卑怯だよね。もっときちんと段階を踏んでくれてれば諦めてましたのに。」
「父さんはいつから知ってたの?」
「この前かな?何で言わなかったの?」
「お前が知れば、子供達に話さないといけない。娘達がうるさいだろ。」
「…言えてるけどさ。」
「叔父さんが悠を守るつもりでいるから見守っていよう。平川家に任せよう。私はあさみちゃんの姉の旦那。」
「……。」

二人の社員が義人達の話を聞いていて、

「どういう関係です?知っていたなんて…。」
「そのうちわかるよ。ただヒントを与えると、その彼は誰かに似てないかな?まあ、そのうちわかる話ですから内緒です。」
「え?」

義人の息子は、

「そこまで言ったら答えじゃん。」
「まさか!?」
「彼はあの人らの子供ですよ。それだけ。」
「高瀬さんならまだしも何で坂井君が知ってるのです?」
「その反対側の人間ですよ。」
「…はぁ。複雑な関係ですね。」
「理解すれば簡単ですよ。」

そこへ、

「義人さん、ナオキ
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