新月の夜
さんが会見を開くらしいわ。」
「わかりました。用意します。」
「あら、よっくん。」
「叔母さま、悠兄さんの事…。」
「仕方ないわ。私は守るだけ。愛してるわ。本当に息子には悲しい思いをさせた。私らがどれだけ苦しめてきたか。平川家側の事情で私がナオキさんと結婚してること明かせなかったから。だから幼い頃、悠がいくらねだってもいろんな所へ家族で行けなかったし…。そんな環境の中でよく優しく育ってくれたわ。あれは…私達の血を継いでいるから…和也か悠のどちらかはそうなると覚悟してた。ごめんね、うちの息子、かなり嫉妬深いから。」
「…私には逆らえません。麻友が選んだ道ですから。嫉妬深いのはわかっています。よく、麻友がぐったりして帰ってきたら大半が…。」
「早く行きましょう。裏方に専念しないと。」
「私も行きます。」

麻友美の兄は言う。

「いいの?」
「私も守る立場ですから。」
「ごめんね、お兄さんまで巻き込んで…。」

義人は、

「とにかく向かおう。」

4人は走る。聞いていた2人。

「う…嘘でしょ…。」


用意をしている悠太の父。母はネクタイをしめている。

「あさみ、ここに奈央と坂井くんといなさい。」

麻友美の兄は、

「私も手伝います。」

と志願するが、

「君はきっとマスコミに知れてる。だからかわいい私の妻と娘といて欲しいんだ。娘が泣いたら大変だし何かとサポートして欲しい。赤ちゃんは気ままだから。知らない女の人なら嫉妬するけど若い男の人ならまだ大丈夫だ。女の子だからなぁ、気難しいのだよ。妹さんには嫉妬するだろう。奈央は悠にラブだから家の中で一番なつく。その悠が奪われたとするとキーキー怒ると思う。お兄さん伝いでも仲良くしないとね。子供が生まれたら君も抱くだろう?下手くそだと泣きますよ?」
「…はい。」
「そこにモニターあるからリアルタイムで見れます。」


父は去る。母は、

「あの子が苦しむ理由。いろいろあるけど私が今まで隠されてた理由。私がナオキさんの妻で子供達がいる事を言えば子供達を手放して離婚しなさい、とナオキさんのお父様に脅されていたの。遺産はあげないと。」
「…ひどい。」
「私が19で妊娠して、妊娠を告げた時の浮かない顔が不安で、一人で産んで、育てるしかないと思って
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