【続編】カゴの中身
その言葉だけは聞きたくなかった。



確かに俺は善の親じゃねぇ。



「その言葉、留宇に言ったら殺すぞ」

「本当のことだろ!!」

「だったらテメーのメシ作ってんのは誰だよ。洗濯して、学校のこと全部やって!!風邪ひいた時に看病してくれたのは誰だって聞いてんだ!!」

「別に頼んでねぇ…」

「そうか、ならお前、ひとりで生きたらいい。のたれ死ぬのも好きにしろ」

「何で…何で俺だけ名字違うんだよっ!!いらねぇからだろ…」



こんなに強く殴ったのは初めてだ…。



気がつけば善が吹っ飛んでた。



情けなくて…悔しい…。



俺たちが今までしてきたことが伝わってなかったんだと思うと…スゲー不甲斐ない…。



「お前には自分の道を行かせてやりたかった…。ただそれだけだ…。確かに親じゃない。気持ちは親だったのにな…」

「雷…」

「出て行きてぇなら出て行け。金なら出してやる。その代わり、俺はお前と二度と会わねぇぞ」

「ごめんっ…雷…。ごめん…そんなこと言うつもりなかっ…たのにっ…」



善の涙なんて何年ぶりだろう…。



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