オチビな理由


「オチビオチビって…いつも見下して!あたしのことそんなに嫌い?嫌いならもっと他の言い方あるんじゃないの?嫌いなら直接そう言ってよ!!」




 本当は、知ってた。
 孝太先輩が好きだから…こんなあたしでも耐えてこれたんだ。
 その3文字に傷つけられていたけれど、それでも好きでいられたんだ。
 どんな呼び方でもあたしを呼んでくれるのが、本当は少し嬉しくて、その声が心地よかったのに…。
 でも、もうダメだ。涙があふれそうだ。




 本当に、嫌われる。









「………何言ってんの?俺、オチビのこと嫌いって言ったことあったっけ?」


 その声に思わず見上げると、両目をまん丸にした先輩がパチパチとまばたいた。





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