特等席
「あっ、マネージャー」
マネージャーってことは…彼方の新彼女!?
やばいよね、彼女にこんなとこ見られたら
「彼方君、一緒に帰らない?」
ってか、この女の子可愛い。
彼方の彼女にはもったいないんじゃない?
「ダメ、かな?」
「…今日は日向と帰る約束が」
いや、彼方!彼女に他の女と帰るって言うの、よくなくない?
「…彼方、私なら大丈夫だよ?」
「いや、日向と帰る約束のが最初だし。ごめんな、宮沢」
宮沢、と呼ばれた彼女はあたしを怖い目で見ている
怖いんだけど、宮沢さん。
「わかった、明日は帰れる?」
「ん、明日は帰ろう」
「約束だよ。じゃ、また明日」
そう言って、宮沢さんは帰って行った。
最後にあたしを睨むのを忘れずに…
「日向、ごめんな。帰ろう」
「うん、帰ろう」
まっ、怖かったけど…宮沢さんの気持ちになったら、あたしは嫌な存在だよね。