特等席




「あっ、マネージャー」





マネージャーってことは…彼方の新彼女!?





やばいよね、彼女にこんなとこ見られたら





「彼方君、一緒に帰らない?」





ってか、この女の子可愛い。





彼方の彼女にはもったいないんじゃない?





「ダメ、かな?」



「…今日は日向と帰る約束が」





いや、彼方!彼女に他の女と帰るって言うの、よくなくない?





「…彼方、私なら大丈夫だよ?」



「いや、日向と帰る約束のが最初だし。ごめんな、宮沢」





宮沢、と呼ばれた彼女はあたしを怖い目で見ている




怖いんだけど、宮沢さん。





「わかった、明日は帰れる?」



「ん、明日は帰ろう」



「約束だよ。じゃ、また明日」





そう言って、宮沢さんは帰って行った。





最後にあたしを睨むのを忘れずに…





「日向、ごめんな。帰ろう」



「うん、帰ろう」





まっ、怖かったけど…宮沢さんの気持ちになったら、あたしは嫌な存在だよね。




< 13 / 15 >

この作品をシェア

pagetop