治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


どきりと胸がなるが、腰に回され、抱きしめられる体は温かい。


気持ちが良かった。
最高の安眠法を手に入れたみたいで。


第一、彼も彼でこうしなきゃ寒いだろうと。



「ほらまた、君は俺に優しくしてくれる」





私がよく分からないことを口にする人がいた。


分からないものは分からないまま。
時折、彼は寒くないだろうかと思いながら眠りにつく。



私は心配ない。
彼の優しさはよく身に染みる温かさなのだから。


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