治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
私が聞いたのにもわけがあった。
若い。三十代すらも見えない綺麗な人だ。
彼がババアババアと言ったり、ラグナロク一座というのは私が小さい時からある話だから、てっきり老人をイメージしていたというのに。
「相も変わらず、年甲斐がない格好ですねぇ」
横から口を出す彼には、唖然しすぎて声も出なかった。
年甲斐もない格好だなんてそんなことはない。似合っているし、綺麗な肌の持ち主にはあれぐらいがいいというのに。
「お歳を考えた方がいい。あなたみたいなババア……失礼、幾百の年月を無駄に生きているあなたにはもっと相応しい服があるのでは」
皮肉げに、言葉は丁寧なくせして、嫌みったらしく彼は言っていた。