治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


壊れていた、だから直したい、治したいんだ。


このままじゃ、死んじゃう。死んじゃうのはイヤ、いやなの、見たくない。


相変わらずふらふらーっとしてても、距離が近いからすぐついた。


「ふっ、無残だな、ユーリ。やはり脳が壊れたか」


壊れたバケツのくせして、顔がすっごい綺麗だった、びっくり。


こんな綺麗な顔、今まで見たことがない。


ただもったいないのは、血だめにふせているため、その人の顔が赤くなっていること。


「だ、ぃじ………ぅ?なおし、て……あ」


私に任せてと美人さんの前に座った。


ぺたりと、座ったつもりでも、お尻を地につけるなりべちゃりと赤い液体に入ってしまう。


ぬちょぬちょして気持ち悪い、でも治さなきゃと手をその人にかざす。


< 362 / 411 >

この作品をシェア

pagetop