報復サイト~正義の死(バツ)を~
  

 暗く深い闇の部屋は、異臭が酷い。誰も居ないかもしれない部屋の奥を代理女将は歩く。



「早ぐ…ごい…。ごい…こごに…ごい…ごい……こごに…ごい…こごに……こごに…ごい……。」



 壊れた蓄音機の用に奥から響いてくる。それは、呪文のように。


 代理女将はようやく声の主の後ろ姿を捕らえた。


「女将!」


 代理女将が声をかけると女が振り向いた。髪をザンバラにし、着物は着崩れをして鋭い眼光が飛んできた。


「ひっ!」


 言った時には遅かった。
 人間とは思えない速さで走り寄って来て代理女将の肩を掴み首筋に鋭い歯を食い込ませ肉を獣のようにひきちぎった。


「ぎゃぁぁぁっ!!」


「おいじぃねぇ…。次の……獲物は……まだかなぁ……。」



 暗く深い闇の部屋にまた、紅黒い血の臭いが加わった。


  
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