Love....really?
昼休みになると
ゆめは
こころを引っ張り
二年生の廊下へと
全速力で走った。
そして2年A組についた。
坂上 水に会えると
思うと
ドキドキした。
すごく緊張した。
ゆめが
知り合いの先輩に
頼んで坂上 水を
呼んでくれた。
坂上 水がこっちへ
歩いてくる。
「なに??」
またあの冷めた目だ。
坂上 水はこころを
見るとすごく驚いた。
「同じ高校
だったんだ。」
「うん。」
「あのさ、」
「…?」
「俺にあんま
近寄らないで。
目障り。」
ガシャンッ
ドアを閉められた。
「何あれ!
ひどっ最低!」
ゆめの言葉は
こころの耳に
入っていなかった。
こころは
わけのわからない
感情に襲われて
苦しかった。
とっさに一人で
走りだし
教室でギターをとり
屋上へ向かった。
昼休みの終了の
予鈴が鳴った。
屋上には幸運なことに
人はいなかった。
地面に座り込み
うつむいた。
頬に手を触れると
濡れていた。
「涙…?」
涙を流した記憶は
こころにはなかった。
驚いて混乱していると
涙が溢れて来た。
自分がなぜ
泣いているのか
わからない。
ただ、苦しかった。
しばらく一人で泣いた。
こころは
悲しいという感情を
思いだした。