ばいばい
――――夜
春でも夜は肌寒い今日。
「寒っ!」
あたしは、腕をこすりながら、公園へ向かった。
「康!」
「ん?
あ、来た。」
あたしが呼ぶと小さな鉄棒に腰掛けていた、康が振り向いた。
「こんなとこで何があるの?」
人通りもなく、今から何かあるようには、全然思えない。
あたしは康の隣に腰掛けた。
「上、見てみ?」
康は空を見上げながら言った。
「上…?」
見上げてみると、そこには満天の星空が広がっていた。
「きれー!」
「だろ?」
「うん!
初めてこんなに綺麗な星見たよっ!」
「俺も…昨日より綺麗に見えるかも。
…ことと見てるからかな?」