ばいばい
「…何見てんの?」
「あ。
美波とさっちゃんの背中見てたの。」
「…ぶっ!
趣味悪っ!」
「え?
なんで、そうなるのー!」
あたしたちはそのままの勢いで、靴を履いて外へ出た。
「もー、疲れたっ!」
「…はははっ!
でも楽しかった。」
「どこがっ!」
康は意地悪に笑って見せた。
だけど、その笑顔はどこか、優しくて…。
「あ、今日夜、暇?」
「夜…?別に何もないけど…。
何かあるの?」
「ある。
8時ぐらいに星見にいるから。」
星見は、あたしと康の家の近所にある、小さな公園。
今更だけど、あたしと康の家は、長い坂の上にあって、星見から眺めがいい。
あたしは、なんだか夜になるのが楽しみだった。