からっぽな街
18
真っ暗闇の中、キャンプファイヤーが始まった。今日は、天気が良かったので、空には隙間なく満天の星が良く見える。
外の広場には、夕方に、ゴリさん、トラ、トック、ジュンギ、その班の子ども達によって、薪を外に移動させたり、くべたりして、キャンプファイヤーの準備が整っていた。
「あそこに、火を点けるんだよね!私ね、五年生の林間学校で、キャンプファイヤーやったよ。」
まだ点火されていない、キャンプファイヤーになる前の木の塊を、全体で囲んで座りながら、リッツが、得意気に話した。
「キャンプファイヤーって、何するの?」
後ろの椅子の、私の右隣に座っているニケが、尋ねる。
「点火式をやってね、代表の人が火を点けるの。それから、みんなで歌った。あと、火の前で、出し物とかやったなあ。ここのキャンプでやるのと、変わらないね。」
きらり、ニケ、リッツは、私の前の椅子に座り、振り向いて笑った。
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