Magical☆Player

始動

*始動*


女王君臨から、1週間。


閉まっていた教室のドアを開けると、知らない後輩が三人、もじもじと下を向いて立っていた。
中2,といったところだろうか。



「あ、あの・・・」



その中の一人が顔を上げて遠慮がちに言った。



「どうしたの?」



私が聞き返すや否や、他の二人がきゃっと短く叫ぶ。




その様子からして、またかな・・・




「あの、華雛先輩っ、あの」



真ん中に立っていた子が、後ろからピンクのリボンで装飾された包み紙を出した。



「これ、三人で作ったお菓子なんです!あの良かったら召し上がって下さい!」



顔を真っ赤にして、その子が下を向いて一気に言った。


差し出したのは、可愛いラッピング。
中に見えるのは初心者が作るような、少しいびつな手作りクッキーだった。



「わざわざどうもありがとう」



私は慣れた手つきでそれを受け取っていつもの笑顔でそう言う。



「わざわざなんてそんなっ・・・あのっ、ありがとうございました!」



耳まで赤くなった三人は、言い逃げするように、きゃあきゃあ言いながら廊下を走り去っていった。


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