隣の先輩
 そのとき先輩が戻ってきた。


 オレンジ色のタオルを手渡す。私は申し訳ないなと思いながらも濡れている部分を拭いた。


 そして、足は玄関先にあるマットの上に置いた。


 拭き終わると、先輩が手を差し出してきてタオルを返す。


 先輩はさっきの扉の中に入ると、すぐに戻ってきた。先輩の後を追い、リビングに入る。


 基本的にそこまで広さに違いはないはずなので、広いと思うことはなかった。


 でも、置いてある家具などが私の家にあるものとは少し違う。


 全然別の空間に連れてこられたみたいだった。住んでいる人が違うだけで、こんなにも印象が違うのだという気持ちになる。


 先輩の部屋はどこなんだろう。
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