隣の先輩

 また、あれこれ変なことを考えていたみたい。


 今日、あの人と話をしてからずっとそうだった。


 先輩の好きな人のこととか、知りたいと思うのは興味本位なだけで、どうでもいいことのはずなのに延々と考えていた。


 裕樹の手には黒の携帯が握られている。


 彼はそれをテーブルの上に置く。


 私が買ってもらったのと同時に、親に買ってもらっていた。


 いろいろ条件はつけられたみたいだけど、彼自身も携帯に興味はなかったんだろう。



 触っているのをほとんど見たことはなかったが、最近たまに使っているのを見る。


 学校で親しい友達でもできたんだろうかと思い、聞いてみた。
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