隣の先輩
「学校の友達とメールしているの?」

「うんん。稜と」


 稜と聞いて、それが誰の名前かすぐに分かった。


「隣の?」

「そう」


 あの一件以来、先輩と裕樹が仲がよくなったことは知っていた。


 でもまさか携帯の番号まで教えてもらっていたとは。


 そう思った私はまだ先輩の番号を知らない。


 裕樹は教えてもらっているのに。


 顔を合わせることも多いし、電話をすることもまずないと思う。


 先輩に会おうと思えばすぐに会えるから。
< 203 / 671 >

この作品をシェア

pagetop