隣の先輩

 彼女は私と先輩を交互に見ると、私たちの前を無言で通り過ぎ、階段を下りていく。


 私と先輩が一緒にいるのを変に思っているのかもしれない。


 一年の間で人気があるということは、三年の間でもそうだって可能性も高いからだ。


 長居するのも気が引け、先輩と電話番号とアドレスを交換すると、教室に戻ることにした。




 家に帰ると、先輩の携帯の番号とアドレスをじっと見つめていた。


 いつでもチャイムを鳴らせば会えるのに、携帯の番号などを手に入れたことが嬉しくてたまらなかったのだ。


 用事がないので、メールを打ったり、電話をかけることはできないけど、

それでもこれでいつでも先輩と連絡が取れるんだって思うと、嬉しかった。
< 210 / 671 >

この作品をシェア

pagetop