隣の先輩
 そう聞いてきたのは同じクラスの田辺美佳子。


 彼女も愛理と同じで人見知りを全くしない。


 で、気になったことは今みたいに率直に聞いてくる感じの子だ。

「つきあってないよ」


 なんとか咳を抑えると、そう返事をした。


「でも、仲いいよね。たまに一緒に登下校しているし」

「それは家が近いからだよ。隣なんだ。家」

「そうなの? 家の中とか入ったことある?」


 次々と質問が投げかけられてきた。


 私が困っていると、愛理が苦笑いを浮かべて、話に入ってきた。


「真由も困っているよ」

「そうだね。ごめん」


 言われて気づいたのだろう。
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