隣の先輩

「分かった。ありがとう」


 そう言うと、私の額のところを軽く撫でる。


「でも、めちゃくちゃ気にしているって顔をしているよね」


 私は顔に出ていたんだろう。そんな言葉にうなずくことしかできなかった。


「じゃあ、こうしようか。昼飯をおごって。それでチャラってことで」

「何をおごればいいんですか?」

「学食でA定食にしようかな」


 A定食といわれてもどんなものかピンと来ない。


「学食とか食べたことないかも。どんな感じなんですか?」

「うーん。安いくらいかな。特徴って。味は普通かな」

 あまり特徴がないということなんだろうか。
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