隣の先輩
 私が体調を崩していると思っていたから、送ってきてくれたんだろう。


 昨日のことを思い出して、目頭が熱くなるのがわかった。


 私は昨日のことを謝って、お礼を言おうと思い、家を出た。



 まだ彼が家にいるかもしれないと思ったからだ。

 私は先輩の家の前に行くと、深呼吸をする。


 チャイムを鳴らしても応答がない。


 もう出てしまったんだろうか。


 メールで返事を返そうと思ったけど、念のため廊下から外を覗く。


 私はそこに西原先輩の姿を見つけた。その隣には和葉さんもいる。


 今からエレベーターで下に行けば、間に合うと思った。


 一階にいるエレベーターを呼び、エレベーターに乗ると、一階に向かう。


 逸る気持ちを抑えるように、ゆっくりとエレベーターが一階に着く。


 やっと扉が開いてくれて、エレベーターの外に出た。


 そのままマンションの外に出たときだった。
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