隣の先輩
 もしかしたら偶然会うかもしれないう期待はあった。

 朝は七時過ぎに家を出たらいい。


 中学校のときも、それくらいに家を出ていたので、実際変わらないが、気になって早く眠ってしまった。


 重い体をゆっくりと起こして少しカーテンの開いたベランダを見ると、まだ外は闇に包まれていた。



 太陽の光が少し町を照らす時間にもなっていない。


 手元の時計を見ると、時刻は五時半だった。


 起きるには早すぎるとは思ったが、さすがに二度寝をするような時間ではないのかもしれない。


 部屋の外に出ると、まだ家の中は真っ暗で誰も起きていなかった。



「新聞でも取りに行こうかな」


 いつもは一足早く家を出るお父さんが取りに行くので、私が取りに行くことはあまりなかった。



 洋服を着ようと、クローゼットを開けたが、すぐに閉める。
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