隣の先輩
どうせ二時間後には制服を着なくてはいけないんだから、制服を着ておけば一石二鳥だと思ったから。
制服を着ると、家の外に出た。そのひんやりとした空気に思わず肩を抱く。
もう春だけど、ついこの前まで冬だったからだろう。
まだ朝方は寒い日が多い。
エレベーターまで行くと、下に向かう矢印を押す。
ランプの点す数字が一つずつ増えてくる。
そして、ドアが開いたときだった。
私が来た方向から少し高い音が聞こえてきた。
何となく目を向けると思わずその場で固まってしまっていた。
「西原先輩」
そのとき、エレベータが開く。
私は慌てて中に入ると「開」のボタンを押した。