僕 の 愛 し い 人 [ホラー]
先輩は驚いた顔をした。

一瞬悲しい顔になっていた。

『桜!!!』

病室の扉がいきなり開き琉輝星が汗だくで入って来た。

『‥琉輝星
‥‥っ‥ごめ‥‥
ごめんね‥
あたしが‥買い物行こうなんて‥言わなかったら‥‥‥‥』

『お前は悪くねぇよ‥
それより雪梛は?!』

琉輝星の言葉に俺達は黙る。

『おい‥!』

『桜のお父さん‥
いや、羽川 実さん。
羽川 桜さん。
山口 琉輝星さん。
あちらでお話があります。』

今から話すことは友達としてじゃない。

警察としてきっちりと話そう。

俺達は桜の病室を出て、病院側に手配してもらった部屋へと入る。

『正之君‥!』

部屋に入ると雪梛の両親も待っていた。

『桜ちゃんも‥ごめんね‥
ごめんなさいね‥!
痛かったでしょ?ごめんね‥‥』

雪梛の母親は桜を抱きしめながら謝罪を繰り返す。

『羽川さん‥。
申し訳ありませんでした。』

父親は桜の父親に深々と頭を下げ続ける。

『いえ‥うちの娘が買い物に誘ったということもありますから。
早く雪梛ちゃんを見つけてあげましょう。』
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