僕 の 愛 し い 人 [ホラー]
電話をとったのは正之だった。

『‥誰だ‥お前はぁああぁぁぁあぁあああ!
せぇなぁあぁ!
せなを出せぇえぇえぇぇえ!!!!』

耳元で大声を出されたにもかかわらず、正之は冷静に‥‥いや、普通に受話音量を下げた。

『私は警察の者です。
携帯の持ち主の方が被害届けを出されました。
あなたは誰ですか?』

『警察だとぉ?
はははははははは!
笑わせるな!
あの女の時は死ぬまでほってたくせによぉ!
くくく‥雪梛は俺の物だ!

あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは‥―』
―‥プツッ ツー ツー ツー ツー

‥‥‥"あの女"?

誰の事だ?

『‥之!‥‥‥正之!!』

桜の声で正之は我に帰る。
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