僕 の 愛 し い 人 [ホラー]
それからまた二人でテレビを見たり他愛もない話しをしているとまた電話が鳴った。

『また電話?
さっきの方かしら?』

百合子は電話の方へ行こうとソファーから立ち上がろうとしたが、実がそれを止める。

『俺が出るよ。』

実は電話へと歩いて行く。

『はい、もしもし』

『あ、いつもお世話になっております。
小野ですが』

『ああ!こちらこそお世話になっております。』

『この前の事で‥―』

実は少しホッとし、仕事の話しをして電話を切った。

『百合子、小野さんからだったよ。
さっきの電話もきっと‥―』


プルルルルル プルルルルル


また電話が鳴る。

―‥今日はよく電話が鳴るなあ。

『あ、すみません!
小野ですが、先程忘れていた事が‥―』

また小野さんからか。

ただの思い違いか。

『―‥では失礼します。』

そして実は受話器を置いた。



プルルルルル プルルルルル プルルルルル



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