僕 の 愛 し い 人 [ホラー]
男はまだ若くどこにでも居そうな青年だった。

『俺の嫁に何の用だ!』

実は男の胸倉を掴み怒鳴る。

『‥俺の嫁‥だと?
笑わせるなぁあぁああぁあ!!!!!!!!!!!
嫌がる百合子を無理矢理‥無理矢理結婚させたくせにぃい!!!!
あのガキも悪魔の子だ!!!!
汚い糞ガキだぁあぁあぁああ!!!!!!!!!
お前が無理矢理つくったんだろう!!!!!!!!!
百合子は俺の‥‥俺のものだぁあぁあぁああ!!!!!!!!!!
あのガキもお前も殺してやる!!!!!!!』

大きく開いた口から唾液を垂らし目を見開き怒鳴り散らす男。

―‥狂ってる‥‥‥‥‥

実は男の言葉を聞いた瞬間そう思った。


『警察だ!
お前らやめんか!』


警官の声に実は驚き胸倉を掴んでいる手の力が緩んだ。

―ガッ!

『‥っ!』

力が緩んだ隙に男は実の腹を蹴った。

するりと胸倉から実の手が離れる。

『いつか絶対殺してやる。』

そう言うと男は逃げて行った。

『君!男が喧嘩していると近所から通報が入ったぞ!
全く‥‥‥。』

警官と思われる男はめんどくさそうな顔をしながら実を立たせた。
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