星を食べたら
「…ぁ……………」
やっと解放された青年は息をしているのか自分でもわかりませんでした。
「…興ざめだ……見せしめに殺そうとも思ったがゴミはゴミだな、助けようともまして動こうともしない。ゴミばかりだ」
海辺の街の者は青年を生かしたまま帰っていきました。
村人たちはまた元の場所に座り込むだけで青年に声もかけませんでした。
うっ、うぅ…ぅうう……
少女は青年に駆け寄ると声を抑えて泣くのを我慢するので必死でした。
青年の砂まみれの服を掴み、爪が自らの手のひらに食い込みます。
う、ぐすっ、うくっ
ち、…ちが、血とめなきゃ!?
小刻みに震える少女の頬に冷たい指がなぞります。
「だいじょうぶ………大丈夫だよ、泣かないで。
僕はじきによくなるから…」
青年は小さく笑うと、ぼろぼろの体でなんとか立ち上がりました。
「こっちへおいで」
少女にいつかの手招きをして歩きだしました。