キョウアイ―狂愛―




目の前には、


短い赤毛で筋肉質な目付きの鋭い男が、ぐったりとした細身の茶髪の青年を絞めながら視線を自分の方へ向けていた。



(さっきのやり取りからするとこの赤毛の男が『お頭』で、
茶髪の意識のない方が『ラッド』なのだろう)

と、クレアは理解した。


そうすると横に酒瓶を持ち、涼やかに立っている長いストレートの黒髪の色っぽい女性が、……ラン。



しかし、クレアの前にいるのは先ほど喋っていた三人だけではなかった。


家具も特に置かれていない殺風景な板間の部屋には、二十人程の無骨そうな男達が、所狭しと胡座(あぐら)をかき、酒を浴びるように飲んでいた。




(まるで山賊の宴会のようだわ…!)


クレアが叫びながら飛び起きた事で、その二十人程の目が一斉に向けられる。



身の危険を感じたクレアの背に冷たい汗がつたった。


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