甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「市川、大丈夫か?」
ノックもなしに入ってきた先生に、びっくりして肩を竦める。
Yシャツ姿の先生は真剣にあたしを見ていて、その表情に戸惑いながら首を傾げた。
「大丈夫かって……何が?」
まさか、諒子が言ったんじゃ……?
そんな考えにドキドキする。
だけど、靴を脱いで上がってきた先生は、違う理由を口にした。
「誤魔化すなよ。市川がストーカーから変なメールもらったって、内田に聞いた」
「ストーカー?!」
思わず声を上げると、先生は不思議そうに説明する。
「そう言ってたけど。
『キミに相応しいのは僕だ。僕以外の男なんて許さない』ってメールが入ったって」
「……」
先生の言葉を聞きながら、諒子が急いで部屋を出て行った理由が分かった。
先生には相談しないって言った事に納得してなかった諒子は、事実以外の内容で近い状況を作って先生に説明したんだ。
あたしが反対しないように、あたしを部屋に閉じ込めて。