他校の君。【完】


「な、何で!」


あっさりバレた事にびっくりして、あわあわと焦ってしまうと、


「なになに?何の話?」


あたし達の様子に気付いた他の子達まで興味を持ち出してしまう。


「香澄の想い人君の話」

「ちょっ!みっちゃん!」


にやぁ~と笑って、あっさりと言っちゃった、みっちゃんに思わず声を上げてしまうと、

一臣君がこっちを向いた。


(わわっ、声大き過ぎた)


うるさいって思われちゃった?

どうしよう。

恥ずかしい…。

そう思うのに、みっちゃん達は


「え、どの子?」

「立ってこっち見てる天海の子」

「なるほど」


あたしの心境なんてお構いなし。

って言うか、そんなジロジロと一臣君を見たら変に思われちゃうよ。

そう思いながら、一臣君がまだこっちを見てるか気になってチラリと視線を移すと、


バチン


とぶつかってしまった視線。

絡まった視線にあたしの心臓がドキンと跳ね上がる。


…けれど、フッと彼に笑われてしまった。


(……え。今笑われ…)


「一臣?どうした?」

「別に?」


友人らしき人に不思議そうに聞かれた後、興味を無くしたように逸らされた視線。


(うわ、ショック…)


…今、絶対変なうるさい子だって思われたんだ。


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