Ⅹ(クロス)
「じゃがなリディア、最初にジプサムに手を出してしまったのは、あやつら大陸の民じゃよ。
わしら、ナユタの助言も聞かず、それを無理やり奪いおった・・・。
だからわしらは、初めからこうなる事を予測しておったのじゃ。」
リディアはぎゅっと口を結び、その視線を再び窓の外へ向ける。
(ラドニアのジプサムは、病んでいた。
確かに、その原因はラドニアの王室にある。
けれど、誰がそれに気が付いただろう。
当たり前のようにそれを使って産業を発達させてきた先代達・・・
彼等にだけ、非があると言えるのだろうか・・・
叔父様がああなってしまったのは、確かにラドニアの経済を任されたその時から。
あの人がそれに触れた時には、おそらくそれはもう抑制出来ない程になっていたのだろう・・・)
「ナフサ様、私は・・・ 私は・・・」
「お前は、どうしたいかの? リディア。」