My fair Lady~マイフェアレディ~
そこで、声が出ないとわかっていても、俺は絶叫を上げた。
男の持っていた大きなノコギリに。
男はそのノコギリで今引っ張った俺の足の付け根を、切断しようとしていた。

「んんーーーー!!!んぅっ!んんんっ!!」

首を振り、身柄を揺らす。足で抵抗しようにも縛られ、もう片方はガッチリ男に捕らえられてる。

(嫌だっ!!いやだ、いやだ嫌だ嫌だ嫌だッ!!)

男が口からダラダラと涎が出ていた。肌を確かめるようにサワサワと足を撫でる。

「うう~~!!うーーーっ!!」

涙がボロボロと出ている。体中泥だらけで汗だく。
そんな事は気にもしないが、目の前の光景には耐えられない。
男が刃を立てる二秒前。
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