My fair Lady~マイフェアレディ~
でも、それまでネオードは一度も俺に視線を合わせてはくれなかった。


「ネオ…」

「なんだ?」

「何怒ってるの?」

「別に怒ってねーぞ?」

パシャンと水が跳ねる。俺はジッとネオードを見ていると、やっとネオードが視線を合わせた。

「だって、なんか怖いもん」

「………」

ネオードはしばらく黙った後、「ごめん、」と小さく呟いて俺をぎゅっと強く抱きしめた。

「ネオ…?」

彼の行動が理解できなくて俺はネオードの髪を撫でる。金色の髪は細そうだがしっかりとしている。ネオードは俺を力強く抱きしめながらまた「ごめん」と呟いた。
何が、というのをやめて俺はネオードの顔を持ち上げる。

「俺ねぇ、ネオードと遊ぶの好きなの」

「……」

「ネオードって髪も顔もお日様みたいにキラキラしててすごく綺麗。大好き。だから」



そんな泣きそうな顔しないでよ……。



ネオードの瞼にキスをする。泣いてると彼が必ずしてくれる。
だから、ネオードにもしてあげた。

ネオードはいっそうまた泣きそうになって、次には俺の好きな笑顔になった。

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