My fair Lady~マイフェアレディ~
「ユウの傷は?」

「大丈夫だ。思ったより悪くない。ネオ、風呂に入れてやってくれ」

「……ああ」

ぴくっとネオードの眉が動いたのがわかった。俺はどうしたの?っと聞こうとしたけど、ネオードが近づいて来て、乱暴に持ち上げられてスタスタと風呂場に連れて行かれてしまった。

「い、痛いよ…ネオ…」

「……悪い」

なんだかネオードの様子がおかしい。
そして、俺はそういえば…と思った。
彼が、ネオードの事をネオって呼んだ気がする。
そうだ。それにネオードが反応していた。


でも、どうして?


そんなに気にする事かな?
俺はわけがわからないままネオードと共に風呂場に入り、微温湯のシャワーを浴びた。

「…っ!」

ツキンッと小さな痛みが走った。ネオードは俺を座らせて内股を丁寧に洗う。薬を円を描くようにして指で取り、固まった血を洗い流す。
見た目はそんなに酷くはない。

「……酷い…ってほどじゃないが…浅いってわけでもないな…」

「平気だよ」

「そうか」

ネオードは俺の頭を撫でてタオルでももを隠し、頭を洗ってくれた。
それから湯船に浸かる。

「少し痛むが我慢しろよ」

言われた通り、お湯が足にしみた。でも耐えられないものでもない。

< 144 / 509 >

この作品をシェア

pagetop