My fair Lady～マイフェアレディ～
ご飯を食べ終わり、お腹が一杯になった俺はすぐに眠気に襲われた。

「ユウ、もう着替えて寝ちまえ」

彼が着替えを渡す。俺はとりあえず寝巻きを着た。
現在の俺の寝巻きはトラだ。トラの癖に随分つぶらな目をしたフードだった。
これまた手触りがよくフワフワとしている。これを着ていると彼は必要以上に撫でてくる。
それがまた気持ちいい。

「ぱぱぁん、だっこ……」

俺は眠い目を擦りながら彼に近づいた。彼は、はいはいと抱き上げる。そして背中をポンポンと叩かれる。本当はもう１０歳だし、こういうのいけないって思うんだけど、甘えるのをやめられない。ゴロゴロと頭を擦り付ける。

「ユウ、ベッドに行くぞ」

彼の言葉に俺はいやいやと首を振る。

「パパンといる……」

どんなに眠くても、あの地下の寂しいベッドに一人ではいたくない。
俺は必死になって彼の服を掴んだ。

「仕方ねぇなぁ……」

彼は苦笑して、目配りでソファーに座っていたネオードをどかせた。そこへ俺を横に寝かせる。
まだ縋ろうとする俺に彼は優しく微笑むと髪を撫でて「ここにいる」と言って額にキスを落とした。
そして彼は着ていた羽織を脱ぎ、俺にそっとかけた。ふわりと彼の匂いがして俺は安心しきって眠りの世界へ落ちていった。

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表紙・目次

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