My fair Lady~マイフェアレディ~
しばらく当てて、ウィンと短い機械音を聞いて手を離す。そしてグッと前に押せば扉はシュッと横にスライドした。指紋かなんかかで機械が作動するのかと思えばそうではないらしい。恐らくは体温。だからこそ時間がかかるのだろう。
俺はゴクリと生唾を飲んで目の前の壁を強く押した。その壁は、余りに重くて全力で押してもほんの数センチしか開かない。俺は一休みして、もう一度グッと扉を押した。
ふわりと何か変な匂いが漂った。決して良い匂いではない。
俺の手が一本中に入る程度の間が開いて、俺はそこから中を覗き込もうとした。
顔を近づけると。バッと人の手が俺に向って出てきた。
「ぎゃああ!」
俺は驚いて後ろに飛び退く。
「ぐがぁあああ……ああああ…」
ゾンビのようなバケモノ。人型ではあるが、とても人間とは思えない。
顔の半分はただれていて。手の指も足りない。腕自体、片方しかない。
髪の毛は数本くっついているだけでギョロリとした眼球がむき出しのような状態で。
大きく開いた口からはケモノのような呻き声が聞こえ、後から泡のような涎をボタリと落としていた。
立つ事が出来ないのか、必死に腕を動かしている。
その様子がまるで俺を手招きしているようだった。
俺はゴクリと生唾を飲んで目の前の壁を強く押した。その壁は、余りに重くて全力で押してもほんの数センチしか開かない。俺は一休みして、もう一度グッと扉を押した。
ふわりと何か変な匂いが漂った。決して良い匂いではない。
俺の手が一本中に入る程度の間が開いて、俺はそこから中を覗き込もうとした。
顔を近づけると。バッと人の手が俺に向って出てきた。
「ぎゃああ!」
俺は驚いて後ろに飛び退く。
「ぐがぁあああ……ああああ…」
ゾンビのようなバケモノ。人型ではあるが、とても人間とは思えない。
顔の半分はただれていて。手の指も足りない。腕自体、片方しかない。
髪の毛は数本くっついているだけでギョロリとした眼球がむき出しのような状態で。
大きく開いた口からはケモノのような呻き声が聞こえ、後から泡のような涎をボタリと落としていた。
立つ事が出来ないのか、必死に腕を動かしている。
その様子がまるで俺を手招きしているようだった。