生徒会
駆け寄ってきたのは弘樹だった。

「沙羅…」

弘樹は沙羅を抱きしめる。

「俺…ずっと沙羅のこと好きだった。俺は絶対浮気なんてしない。今までもこれからも俺はずっと沙羅だけだよ。だから…俺と付き合ってください」

「弘樹…?」

そのとき、ドアが勢いよく開き息を切らした丹羽さんがはいってきた。

「…どけよ」

丹羽さんは弘樹を突き飛ばす。

「沙羅は本気であんたのことが好きなのに!あんたは浮気ばっかして…本気じゃないなら別れてください!」

丹羽さんは沙羅を抱きしめる。

「ごめん…。俺は…本気で沙羅のことが好き。今までは女なら誰でも好きだった。誰でもよかった…。だから…最初は沙羅が告白してくれたから付き合っただけなんだ。ホントにごめん。でも俺…もう誰でもいいなんて思わない。沙羅がいい。沙羅じゃなきゃダメだ。もう浮気なんて絶対しないから…他の女と喋んないし…女の連絡先も全部消すから…だから…別れるなんて言わないでほしい…」

「龍治…」

沙羅はぎゅうっと丹羽さんを抱きしめ返している。

私と弘樹はそっと屋上を出た。
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