飲まれ刻む


「先輩が自分勝手だからじゃないですか?」

「うわ、傷つくなあ。俺ってけっこう一途なに」

「先輩ってどう考えてもタラシ分類だと思いますよ」


 あまり飲みたい気分でもなかったが、新しい酒を注文する。

 すぐにきた酒はとても冷えていた。

 時間は後少しで日付が変わろうとしていた。


「あれ……先輩?」

「……ぐぅ」


 ね、寝てる。


 もしかして酔い潰れた?

 肩を揺さぶってもまったく動かない。
 規則正しい息づかいが静かに聞こえる。

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