飲まれ刻む


「まじで。支払いどうするの……」


 あいにく給料日前だったため余分な金は持っていない。

 先輩が起きるまで待っていられないし。


 ……勝手に財布から取ってもいいよね。

 確か先輩は上着の内ポケットに財布を入れるタイプだったはず。

 先輩は上着を脱いで空いている席に置いていたので取るのは簡単だった。


「あったあった。高そうな財布。詰めが甘いな先輩は」


 勝ち誇った気持ちになり先輩を見下すように見る。

 そこで気付いた。

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